最近“牛カツ”のお店がよく話題に上りますが、今回は東京・蒲田で世にも珍しいカツを見つけたのでご紹介します。その名も「オムレツかつ」!響きがちょっとB級グルメっぽいんですが、これが一度食べたら病みつきになるおいしさなのです。

ここでしか食べられない裏の(?)名物メニュー
ここでしか食べられない裏の(?)名物メニュー

●老舗「とん清」のオムレツかつ


オムレツかつを提供しているのは、蒲田駅から歩いて2、3分のところにある創業47年の老舗「とん清(とんせい)」さん。

とん清(東京・蒲田)
とん清(東京・蒲田)

オムレツかつとは、ピーマン、にんじん、玉ねぎ、しいたけを練り込んだ生の豚肉ミンチを薄焼き玉子で巻き、衣をつけて揚げたもの。中までしっかり火を通すのに20分くらいかかるそうで、メニュー表には「お時間を頂きます」と書かれてあります。

注文してから20分後、揚げたてアツアツで運ばれてきたオムレツかつの断面はあふれる肉汁でキラッキラ!待ちきれずにほお張ると…衣はまるでビスケットのようなサックサクの歯ごたえ!パン粉にムラがなくて、どこをかじっても奇跡みたいなサックサク食感が迎えてくれるんです。この衣だけでご飯1杯いけるくらい、本当においしい…!

先代社長がケーキ(洋菓子)から着想を得て開発したそうな
先代社長がケーキ(洋菓子)から着想を得て開発したそうな

薄焼き玉子はふかふかで、中に包まれたお肉はフワっとトロける柔らかさ。噛むたびに肉汁がジュワッとあふれ出し、口の中は脂の甘みと肉の旨みでいっぱいになります。とめどなく流れ出てくる旨みの汁を味わっていると、気づいたときにはもうお肉が溶けてなくなっているという不思議。

見て!この肉汁見て!
見て!この肉汁見て!

新食感に感動を覚える一方で、初めて食べるはずなのに昔からお母さんが作ってくれていた料理のような、どこか安心感を覚える家庭的な味でもあるんですよね。これを食べるためだけに足しげくお店へ通う人もいるそうですが、その心理よく分かります。

ソースはお好みで。個人的には何もかけずに味わうのがオススメ
ソースはお好みで。個人的には何もかけずに味わうのがオススメ

なお、オムレツかつはランチ・ディナータイムともに提供されています(テイクアウトも可)。ただし揚げるのに時間がかかるので、ゆっくり味わう時間が取れるタイミングで訪店するのが吉。

●夜は“飲めるとんかつ屋”になる

ちなみに、夜のとん清は“飲めるとんかつ屋”になります。人気メニューは「串揚げセット」。平日は17時半から、日・祝日は終日提供されています。

「とんかつ屋の串揚げですから、美味いに決まってます!」
「とんかつ屋の串揚げですから、美味いに決まってます!」

肉と野菜の串揚げ(Aセット)または海鮮串揚げ(Bセット)から選び、生ビールまたはハイボールなどのドリンクが1杯付いて価格は1,000円(税別)。あれ、安くない?大丈夫?と思って店主に聞いてみたところ「ちょっと安くしすぎちゃいました(笑)」とのこと。マジか!お茶目か!

容赦なく注文する(写真はAセット)
容赦なく注文する(写真はAセット)

オムレツかつとはまた違ったパン粉を使って揚げているという串揚げ。このパン粉は糖分が少ないため、串揚げが焦げ付いたり、クドい味に仕上がったりすることがないんだそう。

サクッとかじると、呼吸するたびにハラハラッと吹き飛んでしまいそうなほど衣が繊細で、まるで粉雪を食べているかのような口どけ。揚げ物なのに軽いのでパクパクいけちゃいます。中に包まれたお肉はつゆだく。さらに野菜はパキッと新鮮な歯ごたえで、こりゃお酒が進んじゃいますな~。

さらりとした辛口ソースが相性抜群
さらりとした辛口ソースが相性抜群

なお、今の時期は「カキフライ」もオススメとのこと。3月までの季節限定です。せっかく牡蠣が旬なので、今のうちに味わっておいて損はないはず。同店のカキフライを「蒲田一のカキフライ」と称賛するファンもいるそうですよ。

私(筆者)は死ぬほど牡蠣が好きなんですが、一度あたってから食べられない(食べると本当に死ぬかもしれない)カラダになってしまったので今回取材できませんでした。写真がなくてすみません。皆さまにおかれましてはぜひご自身の舌で(私の分まで)味わってくださいね…うふふ…。

店舗所在地は、東京都大田区西蒲田7-45-4 1F。営業時間は平日ランチ11時~15時、ディナー17時30分~22時。土日祝ランチ11時~15時30分、ディナー17時30分~22時。水曜定休です。