しかしケーキや焼き菓子が美味しい店ならば、パンも絶対おいしいはず!そう確信したえん食べ編集部は、ケーキ激戦区・自由が丘の人気ケーキ店4店でパンを購入。その味をお伝えします。
■自由が丘人気ケーキ店4店のパンを食べてみた
購入したのは、自由が丘のケーキ店「モンサンクレール」と「ダロワイヨ」のクロワッサン、「パティスリー・パリセヴェイユ」のクロワッサン ダマンド、「モーツァルト」のクリームホーンの4点。
◆その1:モンサンクレール
パティシエ・辻口博啓氏がオーナーを務める人気店。平日でも周囲にはオープンを待つ人の姿が。
入手したのはクロワッサン(220円)。ムラのない焼き色と整った形が特徴です。
断面はとてもきめ細やか。
かぶりつくと生地がつぶれ、生地の隙間に満ちた芳醇なバターの香りがあふれ出ます。サクッとした薄い皮の中には、噛むのをためらってしまうほど柔らかく繊細な生地が。おそるおそる咀嚼すると、バターのコクと小麦の甘みをふりまきながら瞬く間に口どけていき、「あれ、もうなくなっちゃった...もう一口」という、ケーキでおなじみのあの感覚に陥ります。
生地が凝縮された端部分には、ジューシーなバターの味わいに加えぐっとした噛みごたえがあり、また格別。
作り込まれたケーキのような繊細さを感じさせるクロワッサンでした。
◆その2:ダロワイヨ
フランス発、デパ地下などの店舗でマカロンやケーキが人気の同店。自由が丘では路面店を構え、パンや総菜も種類豊富に取り揃えています。
パリ本店直伝の配合というクロワッサン(205円)を購入。香ばしく焼けた皮が食欲をそそります。
透けて見えるほど薄い生地が、バラの花びらのように層を成しています。
サックリとした皮は香ばしく厚みがあり、やわらかな生地と鮮やかなコントラストを成しています。噛むごとに生地の層1枚1枚からバターが染み出し、舌で感じるコク、鼻から抜ける香りによって、脳にまで幸福感が押し寄せます。中盤からは小麦の旨みが加わり、骨太な味わいへと進化。
◆その3:パティスリー・パリセヴェイユ
チョコレート系のケーキがとくに豊富で、根強いファンも多い同店。
開店直後でクロワッサンは焼き上がっていなかったため、クロワッサン ダマンド(265円)を購入。
クロワッサン ダマンドとは、アーモンドクリームをかけて焼き上げられた甘いクロワッサン。シロップに浸されて生地が平たかったり、間にジャムが挟まれていたり、店によって味わいはさまざま。
このクロワッサン ダマンドは、クロワッサンの形は保ちながらも生地にたっぷり甘いフィリングが入れられ、ずしりと持ち重りがします。表面はこんがり焼けたアーモンドクリームとアーモンドスライスで飾られています。
口にするとまず、フィリングの染みた生地から洋酒の甘い香りがふわり。続いて口のなかでゆるりとほどけ、まるで自分の体が洋酒に浸かったかのような浮遊感を覚えます。甘みも強く濃厚なフィリングですが、周囲のモチっとした生地と合わさることでバランスの良い味わいに。皮はザックリ香ばしく、クロワッサンの本分も楽しめます。
表面のアーモンドスライスは、薄くてもアーモンドの旨みがしっかり。クッキーのような食感のアーモンドクリームとともに、味・食感のアクセントになっています。
パーツひとつひとつの味わいがくっきりと立った上でハーモニーを生んでいる、奥行きのある味わいのクロワッサン ダマンドでした。
◆その4:モーツァルト
駅前のケーキ&パン専門店モーツァルト。ケーキ、パンともに種類豊富で値段も手ごろ。売店のように歩道に面しており、自由が丘のケーキ文化の根の深さを感じさせます。
こちらでは、クリームをパイ生地で包んだクリームホーン(150円)を購入。
筒状に巻かれた生地でカスタードクリームが包み込まれています。
薄いパイ生地の層は、ぐっと歯を受け止めてぱらぱらと小さく砕け、クリームに溶け込んでいきます。クリームは甘さ控えめ。クリームパンでイメージするべたっと甘いクリームとは違い、上品にさらりと口どけます。
甘すぎないおいしさと気軽な値段で、毎日でも食べたくなる一品。
■まとめ
ケーキ店のパンはどれも、パン店のものと比べ、作り込まれたような繊細さが味わえました。またフィリングやクリームはケーキ店ならではの質の高さを見せつつも、価格は一般的なベーカリーとほぼ同じでお得感もあり。やはり人気のケーキ店ではパンも美味。お気に入りのケーキ店でパンを見かけたら、試してみて損はないはずです。(※表記価格は全て税込)