神戸生まれの洋菓子店「ケーニヒスクローネ」。サクサクのデニッシュやパイを中心とするドイツ菓子を販売する店です。そんな同店が、ホテルケーニヒスクローネ神戸を2013年12月にオープンしました。ここでは、立地や雰囲気はもとより、スイーツやパンなどを思う存分食べられる宿泊者限定の朝食が人気らしいのです。

兵庫県で生まれ育った私(筆者)にとって、ケーニヒスクローネは大切な“故郷の味”でもあります。いつか泊まって食べようと思いながらも機会がなかったのですが、先日、朝食ではなく“ランチに行列ができる”と話題になっていると小耳に挟んだのです。1,500円でパン食べ放題、しかも制限時間無しなんだとか。ちょっとおいしすぎません?気になったので行ってきました。

行列ができる?ホテルケーニヒスクローネ神戸のランチが気になる!
行列ができる?ホテルケーニヒスクローネ神戸のランチが気になる!

ホテルは、異国情緒あふれる旧居留地エリア近く、大丸神戸店から250m ほどのところにあります。赤のアーチが印象的なたたずまい。ヨーロッパのホテルみたいです。

気障すぎない外観が Good
気障すぎない外観が Good

ランチは、ホテル1階の直営ショップ&カフェ「くまポチ邸」で提供されているとのこと。混雑しているだろうと思いつつ、土曜の朝、開店時刻の11時ちょうどくらいに到着。すると、行列こそなかったものの、店内は2階も含めてすでにほぼ満席でした。開店前には行列ができていたのかもしれません。

さて、ランチメニューは、選べるメイン1品と、ミニサラダ、ドリンク、パン食べ放題がセットになっているようです。ドアに貼ってあった紙によると、まず席を取り、「パンとサラダを取りレジにてビーフシチュー、パスタ、グラタンの中からお選びください」とのこと。すみません、これ読んだだけでは分かりません…!

とりあえず席を確保して、人だかりができているカウンターへ向かうと、手前から、パン、サラダ、ケーキと並んでいました。最も奥にレジがあります。どうやら、このカウンターで必要なものを取り、最後にレジで会計をするというシステムのようです。

説明どおり、まずはパンを選びます。トレーとトング、パン用のバスケットを受け取り、パンコーナーへ。15種ほどあるラインナップは、ケーニヒスクローネらしく、クロワッサンやデニッシュといった“サクサク系”が多いようです。どれもものすごーく気になるけど、「おかわりできるんだから」と自分に言いきかせ、5種ほどをチョイスしました。というか、バスケットに積み上げられるのは5~6個で限界…。

どれもおいしそう…!
どれもおいしそう…!

続いてはサラダ。パンコーナーの先にある「ミニサラダ」コーナーには、レタスやパプリカを中心として、卵とツナがあわされたもの、ローストビーフがのったものなど、数種類が用意されていました。“ミニ”サラダとは書いてあるものの、トレーの半分を占めるほどのボリュームがあってミニじゃありません。さらにその横にはケーキコーナーがあるのですが、ランチではなく喫茶用とのこと。ケーキセットを注文したい場合は、パンやサラダをスルーしてこのケーキを取り、レジでドリンクを注文する、というシステムのようです。

ケーキを横目に見つつ、レジへ向かおうとすると、サラダとケーキの間に「クローネ」が並べてあるのを発見!クローネは、創業時から販売されている看板メニュー。店舗では売り切れることも多い大人気商品です。ランチ利用の場合ひとり1個食べられるもよう。これは食べるしかないぞ!気付いてよかった。

ケーニヒスクローネといえばコレ!  特別な日にしか買ってもらえなかった、憧れのスイーツ
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そして最奥のレジへ。ここで、メイン料理とドリンクを注文するようです。メインは「卵とお餅のビーフシチュー」「野菜のビーフシチュー」「野菜グラタン」(各1,500円)、「パスタ(クリーム)」「パスタ(ボロネーゼ)」(各1,800円)が用意されていました。私は野菜のビーフシチューとアイスティーをオーダー。料金を支払って(消費税を入れても1,620円!)ドリンクとかわいらしい番号札を受け取り、席へ戻ります。

番号札やグラスに描かれているのは、くまのポチ
番号札やグラスに描かれているのは、くまのポチ

コロンとかわいいグラス
コロンとかわいいグラス

しばらくして到着したビーフシチュー。白いプレートの上に、青いポットに入ったシチューと、プリンのようなものものっています。これと、パンが山盛りのバスケット、ボリュームのあるサラダ、クローネ、ドリンク。これだけボリュームがあるのにこの価格。しかも、ホテルのカフェ。これは人気が出るのも分かります。近くにあったら通うだろうな。

シチューもサラダもしっかりと量があるんです
シチューもサラダもしっかりと量があるんです

湯気が立ち上るアツアツのシチューには、大きくカットされた野菜がゴロゴロ!さらに柔らかく煮込まれた牛肉も入っています。適度な食感が残っていて食べ応え抜群。

中にも野菜がたっぷり
中にも野菜がたっぷり

ここからはパンをご紹介。1回戦で入手したパンは、サクサク食感とバターの香りがたまらないクロワッサン、コーヒーとよく合うシナモンロール、よもぎの香りが春らしいあんパンなどなど…。ひとつひとつの大きさは比較的小さめなので、何種類も食べられちゃう。

1回戦ではコチラを入手
1回戦ではコチラを入手

おかわりに行かねば!と席を立ったのが12時前。行列を見てぎょっとしました。30人ほどが、2階に上がる階段の手前まで列をなしていたのです。結局、人数の割にはスムーズに進み、10分ほどでパンのカウンターにたどり着けました。さあ、さっき取れなかったものを!とトングを伸ばすと、新しいパンが増えてる!? 初めはなかった食パン型のパンをはじめ、何種類か追加されていたのです。しかも焼き立て。多種類食べたいなら、こまめにおかわりに行くほうがいいかも。

2回戦の、
2回戦の、

戦利品(バスケットに入りきらなかった…)
戦利品(バスケットに入りきらなかった…)

クロワッサンメロンパンは、カリッと焼き上げられた皮と口どけのよい中の生地がベストマッチ。ちょっぴり甘めな塩パン、キャラメルが練りこまれたモチモチの食パン型パン、レーズンの酸味が絶妙なパンオレザンなど、計12個くらいのパンをいただきました。

カリッ×しっとりなクロワッサンメロンパン
カリッ×しっとりなクロワッサンメロンパン

そろそろデザートタイム。まずクローネは、サックサクで繊細な生地と、卵のコクが濃厚なカスタードがたまらない一品。好物は後で食べる派の筆者は最後に食べたけれど、パンを放っておいて、クリームが冷たいうちに食べるのがおすすめです。

食べる直前に取りに行った方がいいかも。  とにかく、冷たい状態で召し上がれ
食べる直前に取りに行った方がいいかも。
とにかく、冷たい状態で召し上がれ

そして、シチューについてきていたプリンのようなものはおそらく、同店のプリン「ベルリン」の表面に焦げ目をつけたもの。これもまた、コクがあって濃厚。でも後味はさっぱりとしているので、食事のシメにピッタリでした。

クレームブリュレっぽい見た目にワクワク
クレームブリュレっぽい見た目にワクワク

ちなみにドリンクは、レジ横のカウンターでおかわりできます。スイーツのおともにはコーヒーが飲みたくなるのです。

ホットのカップはシック
ホットのカップはシック

例えばシチューが小さめだったり、サラダが本当にミニだったり、パンがすぐなくなってしまったりするようなら、ちょっとモヤモヤが残るかもしれません。でも、これだけ妥協しない内容で1,500円というのは、セルフとはいえ、とってもお得。しかも、クローネやベルリンまで食べられるから、ケーニヒスクローネ初心者さんにも胸をはっておすすめできます。あえて、あえて、ひとつだけワガママを言うとしたら、シチューにつけて食べられるようなハード系のパンかプレーンの食パンが1種でもあれば嬉しいかも。おいしいシチューがポットの底に残ってしまうのがもったいないのです。

来店している人を見てみると、女性グループはもちろんのこと、高齢のご夫婦や家族連れも多く、近隣から来るリピー ターが多いという印象を受けました。なんといっても時間制限がなく、ドリンクもおかわりできるので、心ゆくまでゆったりと過ごせます。それでも12時半を 回ると、帰る人がちらほら見られました。少人数なら、開店に間に合わなくても入れるかもしれません。

なお、ウワサの朝食は、宿泊者以外でも予約すれば楽しめるもよう(1日10組限定)。「朝ごはんのスイーツとオムレツがおいしかった」と母に散々自慢されたので、次回こそは朝食にトライしたい…!

くまポチ君は、トイレへ行く途中にいるよ!
くまポチ君は、トイレへ行く途中にいるよ!