とある休日、高円寺を散策中に気になるお店の看板を見つけてしまった。そこには「どっちがうまい?彼は唐揚げ 彼女はミートソース」と書かれている。ええ――!?

そんなこと聞かれたら食べずにいられない
そんなこと聞かれたら食べずにいられない

どっちがうまいのか聞かれてる…食べて確かめなきゃ!と、あたりを見回してみたが唐揚げを食べてくれる彼なんてどこにもいなかったので、とりあえず腹を減らした知人数名を引き連れて入ってみることにした。


単刀直入に聞いてきてる
単刀直入に聞いてきてる

 
注文は食券制なので、券売機の前でもたつかないよう、まずは入口に掲げられているメニューボードを熟読。

やはり店名のとおり、看板メニューは唐揚げとミートソースのようだ。唐揚げは同店の1番人気、ミートソースは50年変わらず“おんなじ味”とのこと。さらに、ナポリタンにミートソースを合わせた「ナポタマミート」というメニューも気になる。

入口にはメニューボードがたくさん。迷うー!
入口にはメニューボードがたくさん。迷うー!

 
どれも期待できそうなので、3つとも注文することに。唐揚げは、しょうゆ味、塩味に“おばあちゃんの味”を加えた3種類の唐揚げが盛り合わされているという「お楽しみ B セット」(830円)を選択。ミートソース(690円)とナポタマミート(650円)は、いずれも通常サイズを選んだ(大盛りもある)。

食券を買ったら席につくよ
食券を買ったら席につくよ

まずやってきたのは、各セットに付くスープ。唐揚げにはコンソメスープが、スパゲッティ各種にはコーンスープがそれぞれ付いてくる。

まずはスープで胃袋をウォーミングアップ
まずはスープで胃袋をウォーミングアップ

特に美味しかったのがコーンスープ!コーンがたっぷり入っていて、じっくり煮込んだ優しい甘みがたまらない。とろりと濃厚で、胃袋をジワジワ温めてくれる。

続いてお楽しみ B セットの唐揚げ3種盛りが登場!これで普通サイズなのだが、唐揚げもご飯もかなりのボリューム。彼女はもちろん、彼も満足の量ではないだろうか。

左奥からタレ、塩、おばあちゃん味
左奥からタレ、塩、おばあちゃん味

サクッと揚げられた衣にかぶりつくと、中からジューシーな肉の旨みがあふれ出す。さっぱりと食べられる塩、コクが絶妙なしょうゆは少し濃い目の味付けで、とにかくご飯が進む。おばあちゃんの唐揚げは甘じょっぱくて、やさしい家庭の味だ。

甘くてしょっぱいおばあちゃんの唐揚げ
甘くてしょっぱいおばあちゃんの唐揚げ

続いて、ミートソースが登場。光を浴びて艶やかに輝く少し太めのスパゲッティ麺に、ホカホカのミートソースがたっぷりと合わされている。こちらもなかなかのボリュームだ。

お肉たっぷりのミートソース
お肉たっぷりのミートソース

麺にはバターが絡められているのか、コクと風味がふわりと広がる。ミートソースは、ひき肉の旨みとゴロゴロとした“肉感”がしっかりと感じられる。さすが“50年おんなじ味”とあって、遠い昔にお母さんが作ってくれたミートソースのような、なつかしい味だ。

お母さんの味
お母さんの味

そして最後に、ナポタマミート。ミートソースの麺がナポリタンになったメニューだ。黄身が半熟のゆで卵がトッピングされている。

ミートソースとナポリタンが合体!
ミートソースとナポリタンが合体!

はじめケチャップの酸味を強く感じたが、ミートソースを絡めて食べると、肉の旨みと甘みで絶妙の“甘辛”バランスに!ナポリタン×ミートソース…ありそうでなかった組み合わせだが、自分でも作ってみたくなるほどの美味しさに思わず感動してしまった。

1皿で2度おいしい
1皿で2度おいしい

オシャレな高級レストランで食事を楽しむのもいいが、こんなふうに気取らず入れる温かいお店で、まるで実家の食卓を囲んでいるかのようなノスタルジーに浸るのも筆者は大好きだ。

店内の雰囲気も地元っぽくて好き
店内の雰囲気も地元っぽくて好き

さて、看板からの問いかけ「どっちがうまい?」への回答だが、優柔不断な筆者は最終的に順位をつけることができなかった。つまりどれも美味しかったし、なつかしい味に心を奪われたのだ。甲乙なんてつけられない。

というわけで、これから高円寺へ行く予定のある方はぜひ「どっちがうまい?彼は唐揚げ 彼女はミートソース」のメニューを食べて、お店からの問いに答えてあげてほしい。