となると気になるのが、これらのお店で提供されているのは日本と同じ味なのか?ということ。ならば確かめに行ってみようじゃないか!
◆「Don Don」の牛丼(すきやき丼)
メルボルン市内で人気を集めているのが、オープンから18年目を迎える「Don Don」の牛丼。特に食べ盛りの学生さんたちから絶大な支持を得ているそうです。
それもそのはず、ここではボリュームたっぷりの牛丼が、たった6.3ドル(約600円)で食べられるのです。物価が高く、ランチ1食に10ドルはかかるオーストラリアでこれは破格の安さ!
ちなみに、正しいメニュー名は「牛丼」ではなく「すきやき丼」。“すきやき”という響きは海外の人にも親しみがあることから、この名前に決まったそうです。このすきやき丼、価格はそのままで「ご飯大盛り」にもできるんだとか。なるほど、はらぺこ学生が集うわけですね!
同店では「てりやきチキン丼」も同じく人気とのことですが、今回筆者は「すきやき丼」を食べてみました。
牛肉はオーストラリア産のものが使われており、厚みがあってステーキみたいな食べごたえ!お肉の旨みが染み付いたご飯と一緒に口へ運ぶと…あぁ、最高に美味。日本の牛丼と同じく、トッピングされた紅ショウガがさっぱりと後味を引き締めます。
日本で慣れ親しんだ牛丼の味が提供されているので、欧米食にちょっと胃袋が疲れてしまった…という日本人旅行者にもオススメしたい一品です。
なお、Don Don はメルボルン市内に5店舗を構え、お店によってはカフェのようにバリスタがコーヒーを淹れてくれたり、パブのようにお酒を楽しめたりもするのだとか。それぞれ、TPO に合わせて活用してみたいですね!
◆「ラーメン心」のとんこつしょうゆラーメン
現地のレストランガイドブック「Good food guide」にも掲載されたという「ラーメン心(こころ)」。およそ3年半前にオープンしたラーメン店で、同紙の“30ドル以下で食べられる”Cheap Eater 部門の City quick bite ベスト10にも入賞したそうです。
取締役の田村さんによると、オープン当初は日本人好みの味が受け入れられるかどうか悩み、現地の人向けに味を変えたことが裏目に出てしまったそう。そこから「やっぱり日本の味をそのまま提供しよう!」と体勢を立て直し、今ではお客さんが列をなすことも珍しくないほどの人気店に返り咲いたのだとか。
同店のメニューには、しょうゆ、とんこつ、みそをベースとしたラーメン各種がラインナップ。そこに好きな具材をトッピングしてオーダーするシステムです。
ちなみに、オージーたちに1番人気のあるラーメンは「とんこつしょうゆ」、人気のトッピングは味玉とポークベリー(チャーシュー)だそう。ということで、筆者も1番人気のとんこつしょうゆラーメンを食べてみることにしました!もちろん、味玉とポークベリーをトッピングして。
ポークの旨みをじっくり煮出したとんこつしょうゆスープに、さらりとした喉ごしのストレート細麺が合わされています。具材はメンマ、きくらげ、ねぎ、そして味玉とチャーシュー。まず見た目は完璧に日本で食べるラーメンと同じですね。
濃厚だけれどしつこくない、コクがあるのに後味はさっぱりとしたとんこつスープに、程よく芯の残る細麺がベストマッチ!味も製法も「日本のものを」とこだわって作られているだけあって、日本で食べるのと変わらないクオリティー。安心の美味しさです!
田村さんによると、メルボルンの人たちは時間をかけずにパパッとランチを食べて、そのあとカフェや公園でまったり過ごすのが好きなのだとか。Don Don ・ラーメン心ともに、注文してすぐに料理が提供されるオペレーションも人気店となった理由のひとつかもしれません。
日本で日本人が「美味しい」と思って食べているものが、海外でアレンジされて提供されていたら悲しいなぁと思っていたのですが、今回メルボルンではまったくそんな心配いりませんでした!牛丼(すきやき丼)もラーメンも、日本で食べるのと同じ。これならオージーたちに胸を張って「これが日本食だ!」と言えますね。
※価格は取材時点のものを掲載しているため、変更の可能性があります