
お店の名前は「GONTRAN CHERRIER TOKYO(ゴントラン シェリエ 東京)」。筆者がよく訪れるのは、渋谷駅から徒歩1分、宮益坂下の交差点の角にある渋谷店だ。2階にはカフェが、3階にはイートインスペースが設置されている。

交差点を渡ってすぐのところにあります

ここの看板メニューというのが、例の絶景を思わせるほど美しいクロワッサン(180円)だ。1枚1枚の生地が規則正しく重なり合い、まるで地層のよう。こんな層を持つクロワッサンは、なかなかお目にかかれないだろう。

そして一口かじればわかる、存在感あふれる生地の食感。噛むごとに「ぱりっぱりっ」と心地よい音が口の中で響き、小麦の香ばしさとバターのリッチな風味が広がる。ほどよい塩気があるので、何もつけずにそのままでおいしい。さらに中の生地は“もっちり”とした弾力があり、食べごたえも抜群だ。

また、同店にはほかにも、クロワッサン生地を使った見た目・味ともに美しいパンがラインナップされている。
●パン・オ・ショコラ(240円)
四角に成型されたクロワッサン生地の中に、濃厚なチョコレートを詰めて焼き上げたもの。クロワッサン同様美しい生地の層は、まるで本のページのように(!)めくることができる。こっそり数えてみたところ、8層重ねられていた。

しっかりと厚みのある生地。外はパリパリ、中はもちもちとした食感が楽しめる。チョコレートは濃厚だけれど甘すぎず、豊かなバターの風味ともよく合う。

●パンメロン(210円)
メロンパンではなく、パンメロンなのでお見知りおきを。クロワッサン生地をサブレで包み、ざくざくとした歯ごたえのあられ糖をトッピングして仕上げられている。

外側のサブレ部分はほんのりレモン風味で、さくっと軽い食感。中にはクロワッサン生地が何層にも重なっていて、ふわっと柔らかくも歯ごたえはしっとりもちもちだ。

●クイニー・アマン(240円)
クロワッサン生地に、砂糖を加えたバターペーストを折り込んで焼き上げられたクイニー・アマン。甘さ・食感とも軽やかな仕上がりだ。

うずまき状に巻かれた生地の外側は、懐かしのキャンディー菓子「チェルシー」のようなキャラメル風味。甘さの中にバターの塩気がきいて、最後まで飽きがこない。

●ウインナーとしそのデニッシュ(200円)
デニッシュ生地で、しそと炒めた玉ねぎ、ウィンナーを包み、粒マスタードを合わせて仕上げられた食事系のパン。しその香りが爽やかな一品だ。

他のパンとは違い、生地からオリーブオイルのようなフルーティーな香りが感じられる。塩気がしっかり効いた生地に、甘くシャキシャキとした玉ねぎと、“パリッ”とジューシーなウィンナーがベストマッチ。
●モンブラン(330円)
クロワッサン生地で作った、パンのモンブラン。カットされた渋皮の甘露煮を練り込んだ栗のクリームが中に詰まっている。トッピングの粉糖は“雪”をイメージしているそうだ。

クロワッサン生地ではあるけれど、しっとりしていてほんのり甘く、デニッシュのような上品な味わい。クリームは栗をそのまますりつぶしたような、舌の上に残る濃厚さが特徴。マロングラッセのような“大人味”で、ほのかにアルコールの香りが感じられる。

なお、ゴントラン シェリエでは9月28日より“秋の味覚”をたっぷりと使った新商品『La saison de la recolte(実り豊かな味を楽しむ)』シリーズが販売されるそう。さつまいもやかぼちゃのデニッシュ、栗とチョコレートを練り込んだショコマロンなど、秋の素材を活かしたパンがラインナップするそうだ。

さらに、ゴントラン シェリエ仙台店では、パン職人のゴントラン・シェリエ氏本人による“復興への想い”が込められた限定商品「Mont-blenc de Zunda(ずんだモンブラン)」が販売されるとのこと。
