今日も日本のどこかに行列ができている…。

ようやく夏の終わりを感じられるようになった9月、東京・日本橋には、老若男女さまざまな人がズラリと並ぶ行列ができていました。その先にあるのは江戸前天丼専門店「天丼  金子半之助 」。何度かテレビでも取り上げられている人気の行列店です。少しは行列は短くなったでしょうか。とある土曜日、えん食べ編集部は日本橋へ向かいました。



天丼 金子半之助は、日本橋三越のすく近く、中央通りから1本裏手に入ったところにあります。こちらのお店、平日は11時開店なのに、休日は10時開店。つまり、休日の方が訪れる人が多いのだろうと私は推測。ある程度の行列覚悟のもと、11時に到着したのですが…すでに大行列ができており、そ人数はざっと100人弱！お店の前を飛び出した行列は道路の反対側へ伸び、角を曲がった先まで続いています。これは長期戦になりそう。



並んでいる人を見てみると、休日だったため家族連れも多く、60代くらいの奥様グループやご夫婦、若い女性グループと、世代や構成もさまざま。スーツケースを引いた人もあり、方言も飛び交っていたので、遠方から訪れている人も多いようです。

並び始めてから1時間、ようやくお店がよく見えるところまでやって来ました。道路に面した厨房では店員さんが手際よく天ぷらを揚げているのが見えます。加えて、ごま油の香りがあたり一面に漂っているのです。そんななかで、まだまだ待たなければならないなんて！これは拷問だぞ。


お店がある側の行列に移動すると、メニュー看板が置いてあるので見てみます。といっても、メニューは江戸前天丼ひとつだけ。大盛にするか、味噌碗(味噌汁)をつけるかを選ぶだけです。天丼の値段は950円と、かなりお得。


メニュー看板を越えると、どこかのタイミングで店員さんが注文を取りに出てくるので、人数とオーダーを伝えます。そして入り口の脇、椅子が置いてあるあたりまで来ると、あと一息。お疲れモードの方がほとんどですが、中には食べ終えたお客さんが出てくる度に「(列が)動いた！」と興奮気味に話す人もおり、入店を間近に控えた入り口前はどこか異様な雰囲気に包まれています。

そしていよいよ、私も入店するときが来ました。案内されたのは1階のカウンター席。カウンターは6席、2階にはテーブル席もあるようですが、合わせて20席ほどしかないようです。

席に着くと、香ばしい黒豆茶を出してくれますまたカウンターには漬物と「がりごぼう」が置いてあり、自由に食べられます。このがりごぼうがとても美味しい。生姜と一緒にごぼうを漬けたものですが、食感の変化がクセになります。


さて、ようやく私の所へも大きな天丼が到着。時計を見ると13時55分…なんと、天丼にありつけるまで約3時間もかかりました！


できたて、アツアツの天丼は、ものすごいボリューム。ししとう、海老2匹、いか、のり、たまご、大きな穴子がどどーんとのっています。これで950円とは…！


たれは醤油辛すぎずちょうど良い甘辛さで、後味がしつこくないので、飽きずに食べ続けられます。さらに、何といってもご飯の炊き加減が絶妙で、たれを含んでもベタベタしません。たまごを割って、黄身をからめて食べると至福のとき。これはクセになる…！


帰るときには、店員さんが「暑いなかお並びいただいてありがとうございました。またお待ちしています」と声をかけて下さいました。やはり3時間並ぶのは大変でしたが、テキパキしつつ丁寧な接客も含めて、通いたくなるお店でした。せめて1時間待ちくらいで入れたら…。

なお、すぐ近くには姉妹店「天ぷらめし 金子半之助」があり、赤坂、木更津などにも「天丼 金子半之助」があります。こちらはまだ待ち時間が少ないようなので、3時間も待てない！という人はチェックしてみては。