真冬の岩手県で、“エコなピーマン”がとれました
真冬の岩手県で、“エコなピーマン”がとれました

真冬の岩手県でエコにピーマンをつくる。そんな取り組みが岩手県八幡平(はちまんたい)市で始まりました。収穫された「八幡平ピーマン」は、3月1日からローソンの一部店舗で販売されています。

今回の取り組みは、八幡平市とローソン、八幡平地熱活用プロジェクトによって行なわれました。雪に囲まれたビニールハウス内で、夏野菜のピーマンが育てられています。暖房に利用されているのは、地熱発電の廃熱を利用した温水。化石燃料を使用しない“クリーンエネルギー”なうえ、重油と比べておよそ5分の1程度の低コストで済むそうです。


(でも、暖かくて、雪が、ない)
(でも、暖かくて、雪が、ない)

実は八幡平にある松川地熱発電所は、50年前、日本で初めて商業利用のためにつくられた施設です。八幡平は、地熱温水を利用したハウス栽培について長い歴史を持つのです。しかし生産者や後継者の不足などから使われない施設も増加しているといいます。

今回のハウスはそのひとつを改修したもの。ハウス内に温水が流れるホースを並べ、外気は氷点下でも中は20度以上を保てるようにしてあります。取材時のハウス内は、気温27度、湿度78%。おおよそ関東の梅雨時期と同じくらいです。冬用コートで中に入ると、歩くだけで汗びっしょり。

ハウスに入ったとたん、レンズが曇って真っ白に!あああ…
ハウスに入ったとたん、レンズが曇って真っ白に!あああ…

2015年12月、3棟のハウスに定植されたピーマン苗は順調に成長し、無事販売されることとなりました。とはいえ、まだまだ量が少ないので、まずは八幡平市にあるローソン2店舗での販売から。毎週月曜に20袋納品される予定です。今後収穫量が増えれば、岩手県内の各店舗および関東地区のローソンストア100店舗(一部)でも販売されるとのこと。

元気に育ってね!
元気に育ってね!

今後は、ピーマン以外の作物にも挑戦していきたいそうです。豪雪地帯の岩手県。冬場でもエコに野菜を育てられるようになれば、生産者は通年で収入を得られるし、消費者も安定的に野菜を購入できる――。今後の展開が気になる取り組みです。