文筆家としても評価される料理家、高山なおみさん。5年ぶりとなるレシピ本『料理=高山なおみ』(リトルモア刊)が発売されました。価格は2,000円(税別)。

待望の新刊『料理=高山なおみ』
待望の新刊『料理=高山なおみ』
 
『料理=高山なおみ』は、現時点の彼女の集大成ともいえる「決定版」。新しい料理だけでなく、おなじみの料理も含め、何度でも作りたくなるレシピ109品が掲載されています。


目次を見てみましょう。いちばん初めに掲載されているのは「新しい一日がはじまる。朝ごはん」。そこから、季節の食材を使った「めぐる季節、そのままの味。」、「心に寄り添う、ロールキャベツの味」、「ロシアのおみやげ」…と続きます。料理そのものではなく、その料理を食べているシーンが思い浮かびませんか?「読むほど おいしい」のが、この本なのです。

パラパラとめくっていると、まるでデザイン集を見ているような気分になります。テーブルに並べられた料理だったり、作りかけのお鍋の中だったり、調理される前の素材だったり、使われている写真はいろいろ。そのすべてが、料理の向こうには人がいるということを感じさせてくれます。
 
季節の味、「いくら」のページ。  自分で漬けてみたくなります
季節の味、「いくら」のページ。
自分で漬けてみたくなります

高山さんは、レストランのシェフを務めていた経歴を持つため、家庭ではなじみが薄く少し難しく感じる料理もあったりします。でも、彼女の心の底にあるのは「おいしいスイッチ」が入るときを大切にすること。季節によって変わる野菜の表情だったり、その日の気分だったり、いろんな要素に左右される「スイッチ」こそが1番の調味料なのでしょう。

この本のとおりに料理を作る自信がなくても、いつかこんな料理を作りたいなぁと眺めているだけで楽しくなる1冊です。