五反田のランドマークのひとつ、「ゆうぽうと」をご存知でしょうか?レストランやフィットネスジム、コンサートホールなどをもつ、地域のシンボル的コミュニケーションスペースです。1982年に開業し、30年以上も人々から愛されてきたこのゆうぽうとが、なんと9月30日をもって閉館することとなったのです…。
五反田にオフィスを構えるえん食べ編集部。思えば数年前、筆者が編集部にジョインすることになったとき、先輩スタッフに初めて連れて行ってもらった食事もゆうぽうとのランチバイキングでした。まさか無くなってしまうなんて…本当にショック。
そこで今回は、とてもお世話になったゆうぽうとに敬意を表して、長年たくさんの人の胃袋を満たしてきた1階「メルチェリエ」のランチバイキングをご紹介。無くなってしまう前に、みなさんも1度いかがですか?
1階の自動ドアをくぐり抜け、すぐ目の前にあるメルチェリエ。180席が用意された広々としたホールは、昔ながらの宴会場のような温かみのある雰囲気。初めての訪店でも不思議と安心感を覚えます。
料金は先払い制。まず入り口で支払いを済ませます。ランチバイキング(平日)の料金は税込1,200円。なお、土日祝日はホリディバイキングとなり、料金は税込1,650円です。
ランチバイキングの提供は11時から14時15分まで。時間制限はありませんので、料理たちが下げられる14時15分までは自分のペースでゆっくりと食事を楽しむことができます。ちなみに席には15時までいて良いそうです。
ホール中央に置かれたテーブルに、和・洋・中とさまざまな料理が並びます。ケーキなどのデザートも含めると20種類以上もあるのだとか。サラダバーやパンの盛り合わせ、お茶やコーヒーなどのドリンク類も用意されており、もちろん食べ飲み放題です。
この日のおかずは、かぼちゃのグラタンやアジのムニエル、豚しゃぶ、白身魚のフライと天ぷら、チキンのトマト煮…などなど。また、炭水化物ラインナップには、ご飯のほかクリームパスタや2種のカレー、ピザ、たこ焼きなども提供されていました。
ホックホクのかぼちゃとまろやかなチーズが絡み合う熱々のグラタンや、しっとりもっちりとした甘いミルク風味のロールパン、甘ずっぱいケチャップが大人の子ども心を刺激するオムライスに、クリーミーでしっとりしたじゃがいもをやや甘めのマヨネーズで味付けしたポテトサラダ(これイチオシです)。
どれをとっても、どこかノスタルジックを感じずにはいられない味付けです。まるで子どものころ、土曜日のお昼ごはんにお母さんが作ってくれたオムライスのような…夏休みにおばあちゃんの家で出てきた鶏肉の煮物のような…。奇抜さや複雑さはないけれど、定番の味でどこかほっとする安定のおいしさに、胸の奥がギュッとなります。老若男女から愛される理由がしみじみとわかります。
また、デザートには、パイナップルなどのカットフルーツのほか、しっとり濃厚なガトーショコラや、ひと口サイズだけど味は一流のシュークリームなどがラインナップ。アメリカンやイタリアンブレンド、ソフトエスプレッソなど数種のコーヒーとともに楽しめます。
ゆうぽうとでランチバイキングが楽しめるのは、閉館直前の9月30日まで。いなくなってからその存在の大きさに気付いても、もう遅いのです。ゆうぽうとをよく利用していたという人はもちろん、ゆうぽうと未体験の人も、ゆうぽうととの最後の思い出づくりに足を運んでみてはいかがでしょうか。ゆうぽうとの有終の美を、ともに飾りませんか?