ところで、お酒のあとの“シメ”に食べたいものといえば、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。ラーメン、牛丼、アイスクリーム…選択肢はさまざまですが、筆者はやっぱりお茶漬けだと思うんです。昔はがっつり豚骨ラーメンとかもいけたんですけどね…年でしょうか、胃にやさしくてあっさりしたものを体が欲するんですよね。
お酒のシメや2日酔いの朝に食べたいお茶漬け。そんなお茶漬けの専門店が、東京・六本木にオープンしていました。各線の六本木駅から5~6分歩いたところにひっそりと佇むお店「だよね。」です。ここでは、すべて「国産」かつ「完全無添加」にこだわってつくられる“創作お茶漬け”がウリ。もちろん六本木らしく(?)、ビールや日本酒などのアルコールも同時に楽しめるんですって。
コンセプトが素敵すぎるので、筆者も同僚を連れてお店に足を運んでみました!
食券制なので、まずは外の券売機で食券を購入。スタンダードな「紀州梅大葉の香味お茶漬け」から、「四川風 担々茶漬け」や「和風出汁カレー茶漬け」といったユニークな顔ぶれまで、メニューは10種類以上。さらに、「トロ鮪」「明太子」「帆立バター」など、自分だけのカスタマイズ茶漬けをつくることができるトッピングもいろいろと用意されています。
迷いに迷って…今回は店名を冠する「お茶漬け だよね。」(650円)、「和牛炙りロースと季節野菜のお茶漬け」(1,180円)、「鮭といくらの海鮮茶漬け」(980円)の3品を購入。ちなみに、大盛り無料です。
のれんをくぐって中に入ると、客席はすべてカウンター。全部で12席あります。ほどよい明るさの間接照明や、店内にさりげなく流れるジャズミュージックなど、女性ひとりでも気兼ねなく入れそうな清潔感のある雰囲気。実際、この日も女性のお客さんが何組も訪れていました。
まずは、全メニューのベースとなるお茶漬け「お茶漬け だよね。」が登場。大きなお皿に盛られたご飯の上に、揚げたちりめんじゃこ、野沢菜、海苔、ミョウガがたっぷりと。さらにゴマがトッピングされています。これにかける温かいおだしと、旬の食材を使った薬味がセットに。
お皿の模様に沿って「の」の字を書くようにおだしを流し入れ、全体をわちゃわちゃとかき混ぜてからいただきます。
はじめに、だしスープをひと口。…あぁ、やっさしい味だー。塩分のカドが立っていなくて、混じりけのない、すごくピュアなうまみを感じます。ぬくもりを保ったまま胃にじゅんわりと染みわたっていく感覚。おだしを体内に取り入れているのは自分なのに、まるでおだしにやさしく包み込まれているよう。
しばらくすると、香ばしい揚げじゃこや、塩気の効いた野沢菜のうまみがおだしに染み出て、またひと味違ったおいしさに。だしスープをたっぷり吸った柔らかいご飯と、じゃこや野沢菜のしっかりとした食感のコントラストが良いあんばい。ミョウガの爽やかな苦みがあと味を引き締めます。
続いて、「鮭といくらの海鮮茶漬け」とご対面。鮭&いくらの親子丼ならぬ“親子茶漬け”です。ちなみにこれ、同店で1番人気のメニューだそう。
先ほどの「お茶漬け だよね。」の中央に、まるっと焼かれた立派な銀鮭がどーん!と鎮座。そこに、たっぷりのいくらがトッピングされています。生のサーモンといくらのタッグはよく見るけれど、焼いた銀鮭と冷たいいくらの組み合わせって珍しい!しかも、温かいおだしをかけて食べるなんて斬新ですよね。
おだしを回しかけ、鮭をほぐしながら全体をかき混ぜて、ひと口。鮭は脂がのっていて、甘みすら感じるほどうまみたっぷり!少々の塩気とだしの味で、鮭のおいしさがさらに引き立てられています。鮭のおいしさに気を取られていると、「忘れてもらっちゃ困るぜ!」とばかりに口の中で「プチッ」といくらが弾けます。ほんのり広がるしょっぱさが鮭の脂身と絡まり合って、口の中は贅沢な大海原に。
最後に、黒毛和牛を使った「和牛炙りロースと季節野菜のお茶漬け」をいただきます。A5ランクの山形牛のお肉を薄く大きくスライスして、「お茶漬け だよね。」の上にふぁさっとかぶせてあります。このお肉、提供する直前にさっと炙ってあるんですって。
軽く炙ったとはいえ、まだ赤みを帯びたレアなお肉。これに温かいおだしをかけて、さらに少し熱を通してからいただきます。
サシがきれいに入ったお肉を持ち上げると、炙った脂身の香ばしさがただよいます。口に入れた瞬間、舌の上に甘みを放ちながらフワっと溶けていきました!食べる前からわかっていたけど、やっぱり、涙が出るほどおいしい…!
さらに、肉汁が染み出ただしスープもほんのり甘く、これをご飯にたっぷり吸わせてほお張るとまた絶品。お酒のシメとしてはもちろんですが、ランチや夕食としても十分な内容とボリュームでした。
さて、実は「だよね。」には裏(?)の人気メニューがあります。それが自家製の「チャーシュー」。ほかのお店で食べるチャーシューとはひと味違う!と、口コミでじわじわ人気沸騰中なんだとか。
豚バラ肉を使ったシャーシューは、1センチほどの厚さにカットされ、表面をカリっと香ばしく焼き上げてあります。お箸で持つとほろほろっと崩れそうになるくらい柔らかいけれど、しっかりとした噛みごたえもあり。
味付けは関西風で、甘みがやや強く、塩気は控えめ。この「甘さ」と「塩気」のバランスが、ほかで食べるチャーシューとはちょっと違うんです。脂身はギトギトしたくどさがなく、噛めば噛むほどあふれ出す甘い汁。お茶漬けのトッピングとして販売されているものですが、単品で注文してビールや日本酒のアテにするのもオススメです。
日曜以外は朝までオープンしているのが嬉しい「だよね。」。ランチタイムや夜の深い時間帯などは、お店の外に行列ができることもあるとか。でも全席カウンターなので、回転はさほど遅くはないと思われます(たぶん)。もしお客さんが並んでいても、諦めないで!
ただし、人気のメニューは夕方には売り切れてしまうこともあるみたいなので、絶対食べたいメニューがあるならお昼頃までに訪店するのが安全かも。
店舗所在地は、東京都港区六本木4-12-4 清水ビル1階。営業時間は、平日11時30分~翌5時、金土祝前日11時30分~翌6時、日曜11時30分~24時です。