人気ラーメン店、麺屋武蔵の20周年記念企画『金乃武蔵』。各店舗持ち回りで月1回、1年かけて特別なラーメンが提供されます。第9弾は、秋葉原・巌虎(いわとら)「山の王様ら~麺」(2,000円)です。
“山の王様”とは、旬を迎えるマツタケのこと。お吸い物や土瓶蒸しなど繊細な料理で食べることが多いそれを、大胆にもラーメンに仕立てているのです。
パッと見では、マツタケらしさは見当たらないけれど…一体どのような1杯に仕上がっているのでしょうか。
●1杯にマツタケ200g!?
このラーメンでは、長野県・松川町にある「まつたけ小屋 梅松園」のマツタケが使われています。梅松苑は、自社の山で採れたマツタケを使った料理や、“きのこ狩り”が大人気の施設。シーズン前から100件ほども予約が入っているのだとか。その貴重なマツタケを、店主の実家が近いという縁から直接販売してもらえることになり、贅沢な1杯が実現したといいます。1杯に使われるマツタケの量はおよそ200g!それが2,000円で食べられるなんて、それだけでお徳すぎる…!
さて、ここからは、詳しいレポートをお届けします。が、その前に。「絶対食べに行く!」と決めていて、楽しみは後にとっておきたいタイプの方。ここから先は読まないでください! そのほうが、より驚きと感動を体感できると思います。残念ながら食べにいけない方、ネタバレを読んでからでも平気だという方は、この先を読んで一緒に驚いてください。
それでは…!
●マツタケその1
マツタケが入っているもの、その1は「スープ」です。“濃厚山スープ”と名づけられていて、そのベースは、マツタケと同じ信州でとれたイノシシ肉。そこに、ピューレ状にしたマツタケを大量投入! これが白濁の要因でもあるのです。
香りはもちろん濃厚。でもすすると、口はもちろん、体じゅうがマツタケの香りで満たされます。それくらい濃厚。ザ・マツタケ。ときどきザラリと舌に触れるカケラがまた、マツタケの存在感を増しています。イノシシの“野性味”に負けない、野性味あふれるマツタケ!あっぱれ!
●マツタケその2
マツタケが入っているもの、その2は「麺」です。といっても、この表現だと誤解を招くかもしれません。正確には、マツタケが麺にまぎれています。麺をすくうと一目瞭然。麺と一緒に細長いマツタケも持ち上がるのです。それも、次から次へと!
麺に見立て、大きなマツタケを1杯あたり丸ごと1個分カットし、混ぜているそうです。しかも、丼の表面からは見えないように、中ほどから底にかけて忍び込ませてあるという凝りよう。
もう少し後になると、もっと大きなものも採れるそうです
おかげで、シャキシャキとした食感も楽しみながら、最後の一口までずっとマツタケを味わえるという豪華仕様に。本当に、食べても食べてもマツタケが出てきます。あっぱれ! これには本当に驚きました。
●山の恵みがたっぷり
マツタケ以外にも、“山の恵み”がふんだんに使われています。
例えば、トッピングの肉。スープと同じく地元でとれたイノシシの自家製ベーコンがのっています。この薫香がスープにも移り、奥深さを生み出しています。また麺には、これまた同じ地域の栗を練りこんであるそう。“山の恵”をとことん詰め込んであるのです。
といっても、イノシシとマツタケを一緒の料理にしてしまうなんて、現地では考えられないそうですが(そりゃそうだろうなあ)。
●長野県産の塩がある!?
麺を味わったら、シメにはおむすびを。長野県産の新米と、長野県産“山の塩”でつくられています。…って、え? 海がない長野県でも塩が作られている!?“山の塩”こと「塩畑」は、なぜか“しょっぱい”鹿塩温泉の源泉をじっくりじっくり煮詰めて作られた塩。1人につき50g入りひとつ限定で販売されている“幻の塩”だとか。その味わいは、塩辛さのなかにも甘みを感じるのが特徴だそうです。
そんな“幻の塩”を使ったおむすびを、そのままひとくち味わったあとは、残ったスープに入れて崩していきます。
底に残っている細切れのマツタケもかき集めながら、最後の一滴まで飲み干してしまいましょう。これ、この1杯の要素をぎゅーっと凝縮したかのような、究極の味わいだと思うんです。マツタケの香りもダシも、イノシシの野性味も、塩と米のうまみも、全部。
贅を尽くした至高の1杯、今秋の思い出にいかがでしょうか。提供は9月29日~10月2日、価格は2,000円です。ああ、もう1回食べたい!
これまでの試食レポートはこちら⇒特集:麺屋武蔵20周年特別企画『金乃武蔵』全12種を試食レポート~ラーメンの新しい扉を開く~