“カレーラーメン”ときくと、どのようなものを思い浮かべるでしょう。そのまんま、カレールウに麺が入ったものを想像する人が多いのではないでしょうか。そう、カレーうどんみたいな。
でもこのカレーラーメンは、ちょっと違います。透明感のあるスープに、たっぷりと浮かぶスパイス。札幌名物・スープカレーみたいなラーメンなのです。
人気ラーメン店、麺屋武蔵の20周年記念企画『金乃武蔵』。各店舗持ち回りで月1回、1年かけて特別なラーメンが提供されます。第8弾は、秋葉原・武仁「金乃アキバカリー麺」。なんと、世界で1杯しかないオーダーメイドのラーメンです。
初めに渡されるのはオーダー表。自分の体調で気になるところと、辛さの好みを記入します。これをもとにスパイスを調合し、スープに加えてくれるそうです。
筆者のために選んでくれたスパイスは、コリアンダー、ナツメグ、クミン、カルダモン、ターメリック、ニンニクのオイル漬けなどなど。さらにアクセントとして、クルミなどのナッツ、フレッシュトマトもオン。
スープにはもともと、バランスよく27種ほどのスパイスが入っているのですが、さらに約40種のなかから選んだオーダーメイドのスパイスを足してくれるという仕組みです。
さらに、オーダーメイド要素がもう2つ。
まず麺のゆで湯。調合したスパイスにあわせ、3種のハーブ(レモングラス、コブミカン、マリーゴールド)のうち1種を入れて麺をゆでます。これにより、ラーメン麺特有のカンスイの香りがおさえられ、よりスープと調和しやすくなるそうです。
もうひとつは、白髪ネギの上のトッピング。こちらもスパイスにあわせ、パクチー、クレソン、イタリアンパセリのなかから1種をふりかけてくれます。
筆者は、湯にマリーゴールド、トッピングにパクチーという組み合わせでした。最終的に、オーダー表で同じ項目を選んだとしても、全く同じものに仕上がることはないそうです。
スープをひとくち飲んで、納得。それぞれのスパイスがケンカせず、複雑で奥深いハーモニーが生まれているのは、さすがの一言に尽きます。
ほどよい火のとおり具合の牛肉は、スパイシーなタレにつけてグリルしたもの。麺もあいまって、スープと違和感なくなじんでいます。
メインの具だけど、主役はスープっていう不思議
おそらく、これまでに食べたどのカレーラーメンよりも、カレーうどんよりもカレーライスよりも、統一感にあふれた素晴らしい1杯。じんわり染み出す…いや、流れ出る汗をぬぐいながら、あっという間に完食してしまいました。
行く方はぜひ、複数人で味比べしてみることを熱烈におすすめします。それでこそ、このラーメンの面白さを感じられると思うのです。また1人で行く方も、勇気を出して、近くのお仲間と交換してみてはいかがでしょう。みんなでやればコワクナイ!
なお、苦手なものや、反対に入れてほしいものがあれば、ぜひ申し出てみてください。オーダーメイドだけあって、かなり細かく対応してくれます。
さっぱりしたい方におすすめ
細かくカスタムしてくれるので、きっと、提供には時間がかかるでしょう。でも、この待ち時間だって1種のスパイス。「いま、自分のためだけの1杯を作ってくれている!」とワクワクしながら、出来上がりを待ちましょう。
「金乃アキバカリー麺」は、8月25日から8月28日までの販売。1日10杯限定、価格は2,000円です。
余談ですが。前回の「水つけ麺」で使う水を汲みに何度も静岡と東京を往復した車が、ついに悲鳴を上げてしまったそうです。水って重いんですね。