東京・神楽坂の焼き鳥店「鳥半」では、フレンチシェフが手がける鳥料理が提供されている。このほど、同店の名物を盛り込んだ夏向けのコースメニュー「フレンチ串と雉(きじ)しゃぶコース」(税込8,700円)の提供が始まった。
コースは次の8品で構成されている。
・鳥半夏野菜のサラダ
・とろけるフォアグラのガナッシュ~夏トリュフの香りで~
・冷たいコーンスープとつくねの取り合わせ
・串3種(セセリの塩焼き、ズッキーニとむね肉の炙り~赤パプリカソース~、もも肉の香味焼き~赤ワインと黒コショウの刺激で~)
・雉しゃぶと雑炊
・マンゴーと愛玉子の夏パフェ
フォアグラのガナッシュは、フレンチシェフらしい一品。生クリームとチョコレートを合わせた菓子の“ガナッシュ”のように、ブイヨンにフォアグラを溶かしこんで、フォアグラの脂肪のみで固めてあるそうだ。
フォアグラをぎゅっと凝縮したかのような、見た目以上に濃厚な味わい。ついアルコールに手が伸びる。
冷たいコーンスープとつくねの取り合わせは、大きなつくねを、冷やしたコーンスープにつけて食べる。コーンの甘みが存分に溶け出したスープは、それだけでも十分おいしい。これがつくねに絡むと、甘みが肉のうまみをぐっと引き立てる。“タレ+卵黄”ではない食べ方をとつくられたメニューで、いまでは名物となったそうだ。
ここで、備長炭で焼き上げた、美しい“フレンチ串”が登場する。
なかでも、「むね肉のおいしさを伝えたい」(料理長)という渾身の串「ズッキーニとむね肉の炙り」は、固くなりすぎない絶妙な食感と、かむほどに染み出すうまみが、むね肉のイメージを塗り替える。またもも肉は、黒コショウの塩漬けとともに口に含むと、まるでソテーを食べているかのような味わい。フレンチのエッセンスが加わった焼き鳥は、なんとも“味わい甲斐”のあるものだった。
メインは、愛媛県鬼北町産キジのしゃぶしゃぶだ。ぐつぐつ煮込む「キジ鍋」なら食べたことはあるが、しゃぶしゃぶとは珍しい。
コクがありながらも淡白なキジ肉、薄切りだからか、しゃぶしゃぶで食べると、とてもさっぱりとした後味だ。さらりと食べられるので、確かに、“夏向け”メニューに良いかもしれない。シメは雑炊で。キジのうまみをたっぷりと吸い込んだ米は、言うまでもなく、美味だった。
この内容での提供は9月上旬までの予定。“いいご飯”を食べたいときの候補にいかがだろう。予約必須なので、お忘れなく。
【店舗情報】
神楽坂 鳥半
住所:東京都新宿区津久戸町4-1 ASKビル1階
営業時間:17時~23時
定休日:日祝