“薪窯ステーキ”、肉好きなら一度は食べるべし!
“薪窯ステーキ”、肉好きなら一度は食べるべし!

東京・赤坂にあるステーキ専門店「Caro-Fuego(カロフェゴ)」。ここではちょっと変わったステーキが提供されています。赤身肉を、世界にひとつしかない特製の薪窯(まきがま)でじっくりと焼き上げるのです。店名のCaro(カロ)はラテン語で“肉”、Fuego(フェゴ)はスペイン語で“火”を意味するのだとか。

薪窯でステーキを焼くって珍しい!
薪窯でステーキを焼くって珍しい!

薪窯といえば、ピザとかパンとか壺とかを焼くイメージがありますよね。ステーキを焼くって珍しい。しかも焼き時間は30~40分もかけるそう!そんなに長いこと焼いて大丈夫なの?と思うかもしれませんが、この薪窯ステーキ、むしろ驚くほどジューシーかつうまみたっぷりでめちゃくちゃおいしいのです!また新たな肉の世界を知ってしまいました…!


◆ビーフとポークを食べ比べ


薪窯ステーキには、4種類の肉がラインナップ。ニュージーランド産の牧草牛サーロイン、三重県産の松阪ポークのロース、そして熊本県産くまもとあか牛のサーロインまたはフィレ(今回はフィレを取材)。

ニュージーランド産の牧草牛サーロインは、脂肪が少なく赤身が大部分を占めたお肉。カロリーも低めだそうです。

ニュージーランド産 牧草牛サーロイン
ニュージーランド産 牧草牛サーロイン

口に入れた瞬間、ほんのり感じる薪の香ばしさ。しっかり弾力と噛みごたえがあり、ほかのお肉と比べてもっとも“肉らしさ”を感じます。いくら噛んでも味が劣化せず、ジワジワと出続けるうまみ。ずっと口の中に入れておきたくなります。

見てくださいこの肉汁感!
見てくださいこの肉汁感!

三重県産の松阪ポークロースは、やわらかくてきめ細かな肉質。ナイフを置いただけでしっとり切れます。

三重県産 松阪ポークのロース
三重県産 松阪ポークのロース

その舌ざわりは、まるでシルクのようになめらか。噛んだ瞬間「飲める!」と思うほどの肉汁があふれます。赤身から出るうまみと脂身から出る甘みのバランスが絶妙なので、赤身好きもサシ好きもきっと納得のおいしさ。

断面はきれいなピンク色!
断面はきれいなピンク色!

くまもとあか牛のフィレは、やわらかな赤身に程よい脂のサシが入ったお肉。牧草牛や松阪ポークよりも繊細で身が崩れやすいので、ひもでぐるぐる縛って焼き上げられます。

くまもとあか牛のフィレ
くまもとあか牛のフィレ

表面はカリッと香ばしく、中はしっとりほろほろ。やわらかくなめらかな口あたりで、ひと噛みごとにとろけるうまみを放ちながら溶けていきます。ほかのお肉とくらべてサシが多めですが、脂っぽくないのでいくらでも食べられちゃう。

ほろほろほぐれる繊細な肉質
ほろほろほぐれる繊細な肉質

牧草牛サーロインと松阪ポークはそれぞれ300g 4,800円(税別、以下同じ)から。なお「カロフェゴコース」を注文すると、一人5,500円で牧草牛と松阪ポークを食べ比べできる盛り合わせ(一人前合計200g)が出てくるのでお得感ありです。コースはアミューズ、前菜、ミニパスタ(またはリゾット)、デザートと食後のドリンク付き。

くまもとあか牛は、サーロインが300g 9,600円、フィレが250g 1万750円から。ほかにも、US産ブラックアンガス牛のリブロース(300g 5,500円)などが用意されています。

◆なぜ薪窯?


鉄板で焼くより時間も手間もかかるであろう薪窯を使う理由は、赤身肉のおいしさを“最大限”にまで引き出すため。肉が“やけど”しないよう、ときどき休ませながら遠火でじっくりじっくり焼くことで“ストレスフリー”なステーキができあがり、うまみを閉じ込めた「最高の状態」に仕上がるんだそうです。

ちなみに薪はナラの木が使われているそう。香りが良く、安定して火を起こしていられるんですって。

やさしく、ていねいに火を通します
やさしく、ていねいに火を通します

こうして焼き上がった薪窯ステーキは、切っても断面からすぐに肉汁が逃げ出しません。口の中で噛んで初めて、繊維ひとつひとつの中に閉じ込められていたうまみの汁がジュワ~ッとあふれ出すのです。

切っただけではまだ肉汁が逃げない
切っただけではまだ肉汁が逃げない

ちなみに薪窯で焼き上げたステーキは肉汁がサラッとしてベタつかないので、赤ワインはもちろん白ワインとも良く合うそう。ワインの種類も豊富なので、店員さんにおすすめの組み合わせを聞いてみるのもいいかも!

◆一押し!超レアなチーズ


ステーキのおいしさをアシストするのは、数々のアペタイザー(前菜メニュー)たち。中でも筆者が特にオススメしたいのは「ジョバンニさんのブッラータチーズとトマトのカプレーゼ」(3,800円)です。このチーズ、“今もっとも手に入らない”と言われているとか、いないとか!

なかなか食べられないチーズですってよ
なかなか食べられないチーズですってよ

南イタリアから北海道にチーズ工房ごと移住したという「ジョバンニさん」が手がけるブッラータチーズは、つくれる数が少ないため完全受注生産制。直接仕入れられるお店は少ないんだとか。

袋状に縛られた“膜”の中には細く割かれたモッツァレラチーズがぎっしり。ナイフを入れた瞬間どどどっ!と流れ出てきます。その味はクリーミーでコクがあり、食感もモッチリして超濃厚。なのに乳特有のくせがなくて、さっぱりみずみずしいんです。

チーズ革命が起きるほどおいしい
チーズ革命が起きるほどおいしい

これと一緒に食べたいのが自家製の「全粒粉入り 丸パン」(1ピース100円)。

ころん
ころん

素朴ながら次のひと口が止まらなくなる、親しみやすい味わいです。そのまま食べてもおいしいのですが、ブッラータチーズにオリーブオイル(お好みで塩も)をかけて、そこにパンを浸して食べるのが筆者のオススメ。

丸パンはテーブルチャージでひとり1個ついてくるのですが、コースだとおかわり自由だそうです。

ふっくらやわらかく、噛むほどに香ばしい
ふっくらやわらかく、噛むほどに香ばしい

◆魚介の料理やこだわりデザートも


看板メニューはステーキですが、牡蠣やホタテなど旬の魚介類を使った料理も充実。夏には、食べる寸前まで動いている(!)という活きの良い「泳ぐホタテ」を使ったメニューも提供されるそうです。

写真は「地魚鮮魚のカルパッチョ」 カラフルで春らしい彩り!
写真は「地魚鮮魚のカルパッチョ」 カラフルで春らしい彩り!

こちらは「ホワイトアスパラガスとホタルイカの冷製仕立て」  5線譜に音符が踊っているみたい!
こちらは「ホワイトアスパラガスとホタルイカの冷製仕立て」
5線譜に音符が踊っているみたい!

専任のパティシエがつくる珠玉のデザートもお忘れなく!「しっかり肉を食べても最後はさっぱり終われるように」とのこだわりから、フルーツを使ったものが多いそう。味はもちろん見た目も華やかでかわいらしいので、女性はもちろん、男性も思わず写真を撮りたくなってしまうかも。

ちなみにお誕生日や記念日などのメッセージも、事前に予約を入れておけばプレートに描いてくれるそうです。噂によるとパティシエやシェフの絵心は「相当な腕前」だそうですので、ここぞというときに利用してみては?

写真はとろける甘さとさわやかな酸味が楽しめる「カラメルとクルミのセミフレッド」
写真はとろける甘さとさわやかな酸味が楽しめる「カラメルとクルミのセミフレッド」

キッチン向かいの席からは窯の中でゆらゆら燃える炎がずっと見えていて、何とも不思議であたたかい気持ちになります。まるで、どこか山奥にある隠れ家へやってきたような…(お店を出たら思いっきり赤坂でびっくりしました)。たまには忙しい日常を忘れて、「ていねいな料理」と「ていねいな時間」をゆったり堪能してみてはいかがでしょうか。

店舗所在地は、東京都港区赤坂3-7-11 レジーア赤坂。営業時間はランチ11時30分~15時、ディナー17時~23時30分。日曜定休です。

扉の向こうは、新たな肉の世界
扉の向こうは、新たな肉の世界