誰もが知ってる名物の、陰に隠れた“ひそかな名品”を紹介する連載。5品目は、東京風月堂の「マロングラッセ」。

東京風月堂の「マロングラッセ」
東京風月堂の「マロングラッセ」

東京風月堂といえば、有名なのは「ゴーフル」。さっくりとした食感に焼き上げた薄い生地でクリームをサンドした円形の菓子で、直径約15cmとちょっとしたお面くらいの大きさを誇る。ミニサイズのものは「ゴーフレット」という。


「ゴーフル」のミニサイズが「ゴーフレット」
「ゴーフル」のミニサイズが「ゴーフレット」

東京風月堂 マロングラッセ

今回紹介する「マロングラッセ」は、イタリア産の上質な大粒栗をコニャックにじっくりと漬け込み、ひと粒ひと粒丁寧に仕上げたもの。東京風月堂では1972年より販売されている。価格は6粒入り1,620円(税込)から。

箱は淡い色で描かれた落ち葉のイラストを全面に敷き詰めたデザイン。上面中央にイガ付きの栗と思われる図形が、金色で大きく箔押しされている。落ち葉のじゅうたんに落ちた栗の実といったところだろうか。おしゃれだ。

金色に輝く栗(たぶん)のシルエット
金色に輝く栗(たぶん)のシルエット

フタをとり、ビニールをはずすと、金色の個装紙に包まれた6個のマロングラッセが登場。

個装紙も金色
個装紙も金色

手に取るとこのくらい
手に取るとこのくらい

包みを開くと、洋酒の芳醇な香りがあたりに漂う。

表面は糖衣でつややか
表面は糖衣でつややか

歯ごたえはしっとりやわらか。飽和状態まで蜜が染み込んだペーストのようになめらかな部分と、栗らしいホクっとした食感の残る部分とが混在しており、前者は濃い甘みと洋酒の香り、後者は栗のふくよかな風味が際立つ。全体を包む糖衣がサリサリとした食感でアクセントを加えている。

染み込んだ蜜があふれんばかり
染み込んだ蜜があふれんばかり

ひと粒は小さいが、甘みや風味がギュッと濃縮され、満足感は高め。おやつはもちろん、食後に甘いものが欲しいときなどにも適している。濃いめのコーヒーや緑茶と合わせて楽しみたい一品だ。

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