「1日分の野菜がとれる」を売り文句にした商品がある。ジュースをはじめ、サラダや弁当、スープなどに多く、中には「1日の1/2の」「1日の1/3の」といったタイプもある。
一方で、「1日分の肉がとれる」という商品は見たことがない。肉は意識しなくても充分摂れているということだろうか?しかし「1日分の肉」と言われてパッと量が思い浮かぶわけでもなく、実は肉も足りていない可能性は大いにある。確かめるため、「1日分の肉がとれる丼」を自作してみることにした。
●「1日分の肉」ってどれくらい?
一般的に、肉から摂りたい栄養素は「タンパク質」。まずは「1日に必要なタンパク質」の量から、「1日分の肉」を割り出す。
1日に必要なタンパク質は、成人男性で約60g、成人女性で約50g。運動量が特別多くない人は、このくらいが目安とされている。
一方、食肉のタンパク質含有量は、動物の種類だけでなく、部位や調理法などにより異なる。
身近な鶏もも肉(皮つき)でいうと、100gあたり16~17g。60gのタンパク質を摂ろうと思ったら、約380g必要ということになる。
この他の例を挙げると、鶏ささみは100gあたり23~25g(1日分=約260g)、豚バラは14~15g(同約430g)などとなっている。
●「1日分の肉がとれる丼」を作ってみた~鶏ももマヨネーズポン酢炒めver.~
今回は鶏もも肉を使用。必要分を肉屋で購入したところ、1枚と1/4枚ほどだった。
調理法は何でも良いが、今回はご飯が進むよう、マヨネーズポン酢炒めとした。ひと口大に切った鶏もも肉に下味をつけて片栗粉をまぶし、フライパンにマヨネーズをひいて炒める。火が通ったらさらにマヨネーズとポン酢で味付けて完成。
丼にご飯200g(サトウのご飯1パック分)をよそい、その上に全量をのせる。
丼に対しご飯200gがやや少なかったため、ぱっと見のボリュームは丼飯としては普通。
しかし丼を箸で掘ってみると、なかなかご飯にたどり着かない。肉:ご飯がほぼ2:1なので当たり前だが、肉の層が厚い。
味付けが濃かったため途中でご飯がなくなるも、15分程度でおいしく完食。一度に食べ切るにはやや多いが、苦しくなるほどではなかった。
●結論:1日分の肉は15分程度で摂れる
1日分の肉は結構あっさり食べ切れることが判明。1日3食と考えると、特に意識しなくてもクリアしていそうだ。
なお“1日分の野菜”関連商品は食後に「これで今日の分クリア!」という開放感があるのに対し、“1日分の肉丼”は食後に「これで今日の分終わりか…」というガッカリ感が残った。好きな食べものに関しては、一度に食べ切るよりも、分けて食べた方が幸福度が高そうだ。