しょうがの引き金(?)を引くと、さんまが発射される(?)
武器は、モデルとなった女性が選んだ具材をもとに作成される。撮影後は解体されて鍋料理または煮込み料理として調理され、プロジェクト参加者によって囲まれる鍋パーティーに供されるという。
「女スパイと機関銃」?
このプロジェクトでは「武器解体」は実際の軍隊の「武装解除」を、「鍋」は戦闘終了後の「平和」を暗示しているという。そう、このプロジェクト、実は戦争の愚かさと平和の尊さを訴えるものなのだ。
引き金は「かぼちゃ」
このプロジェクト、「野菜で平和を訴える」というアイディア自体が非常に興味深い。だがそのメッセージもさることながら、世界の鍋(地元料理)事情にも興味をそそられてしまう。例えば、米国ニューオリンズの「エトフェ」の具材を使った武器には、明らかにザリガニと思しきものが乗っている。実は、ニューオリンズ名物のエトフェとは、ザリガニのシチューをご飯にかけたものなのだ。
パプリカの引き金でザリガニ発射(??)
また、ウガンダの煮物「カトゴ」では、具材にバナナが含まれている。日本には昔から「バナナはおやつに含まれますか?」という議論が存在しているが、ウガンダ人にこれを尋ねると「バナナは、おかずだ。おやつじゃない」と答えるそうだ。
ウガンダでは、バナナは料理の具材です!
そんな世界の鍋事情も楽しめる小沢剛さんの写真展は東京港区白金のギャラリー「MISA SHIN GALLER」で開催中。開催期間は11月2日まで。日曜はお休みだそうだ。
メキシコシティで撮影された
同プロジェクトは東日本大震災直後の福島でも行われた。そのときに撮影されたのが福島の野菜を使った「ベジタブル・ウェポン―おにしめ、福島」。この作品も、現在開催中の写真展で鑑賞できる。