名刺というのは、ビジネスマンにとって「顔」のようなもの。安部公房の小説『壁』にも、主人公のアイデンティティとなり替わった名刺が持ち主を離れ、一人歩きするという描写が登場する。

「それはどう見ても見まがうことのない名刺でした。(中略) まぎれもない一枚の紙片にすぎないのでした」(安部公房『壁』第一部 S・カルマ氏の犯罪より)


だが、名刺は必ずしも「紙」である必要はないようだ。

まさかの
まさかの

以前、チーズおろしになるビジネスカードというものを紹介したが、Meat Cards という企業ではなんとビーフジャーキーでできた名刺が製造、販売されている。もちろん、食べることもできるそうだ。米メディア Foodbeast が伝えている。

同メディアによると、ビーフジャーキー名刺とは、干し肉(ビーフジャーキー)にレーザーを使って名前や連絡先が刻み込まれた名刺。賞味期限は1年間だそうだ。

ジャーキーにレーザーで文字を刻む様子
ジャーキーにレーザーで文字を刻む様子

いったいどんな人たちが買うのだろうかと思ったが、実際に同社 Web サイトには、レストランやホテル向けに食べ物を販売しているという人から、ビーフジャーキー名刺を注文したいという問い合わせも届いているよう。食品関連会社に勤めているビジネスマンたちの中では、このユニークでインパクトのある名刺は評判が良いのかもしれない。

名刺を受け取った相手に対し、「この人とはもう一緒に仕事をすることはないだろうな...」と思ったら、今夜のビールのつまみにして食べてしまえばよいのだ。何ともエコなビーフジャーキー名刺。ただし繰り返すが、賞味期限は1年間となっている。

空腹時の名刺交換には注意が必要
空腹時の名刺交換には注意が必要