「米国人も昔は紅茶を飲んでいたけど、『ボストン茶会事件』以降、紅茶文化を捨ててコーヒー文化に鞍替えしたんだ」
米国人の中には、そう主張する人もいます(注:あくまで、一説です)。
スターバックスは米国時間の10月24日、ニューヨークにお茶とお菓子を楽しめる「お茶バー」をオープンします。これは、米国にお茶文化を復活させるきっかけになるかもしれません。
お茶バーの店名は「Teavana Fine Teas & Tea Bar(ティーバナ ファイン ティーズ&ティーバー)」。スターバックスが昨年買収したお茶専門店「Teavana(ティーバナ)」 が運営するそうです。
本格的です
ティーバナ ファイン ティーズ&ティーバーは、いれたての紅茶、緑茶、白茶などの他、軽食やチョコレートブリオーシュといったスイーツも楽しめるお店。内装は、「禅」のイメージを取り入れたものになっているそうです。
スターバックス CEO であるハワードシュルツ氏は、声明の中で次のように述べています。
「お茶は水に次いで、世界で2番目に飲まれている飲料だ。900億ドル規模のマーケットを持っている。我々は、スターバックスとティーバナが協働し、お茶を提供する最初の店舗をオープンできたことをうれしく思う」
シュルツ氏は、お茶バーで提供するお茶の品質にも自信を持っているようです。
「これまでのお茶とティーバナのお茶は、濃縮還元果汁と絞りたての果汁くらい違う」
「最高級」だそうです
さて、このティーバナ ファイン ティーズ&ティーバー、米国にお茶文化を根付かせることはできるのでしょうか?
筆者は個人的に、できるんじゃないか?と思ってます。
スターバックスがまだシアトルにしかなかった頃、他州の人たちは皆、「コーヒーに金を払うやつなんて、いるのかね?」と笑っていました。米国の会社にはコーヒーメーカーが備えつけられていて、無料で飲み放題だったからです。
日本でペットボトル入りの緑茶が発売されたとき、「そんなもの誰が買うんだ?」という人がいましたが、その感覚に近いかもしれません。
でも、いまでは、そう言って笑っていた人たちが皆、毎朝のようにスターバックスでラテを買ってから出社するようになっているのです。
シュルツ氏は昨年 Teavana を買収した際に、「スターバックスは、コーヒーで実行して成功したことを、お茶でも実行する」と述べていました。
スターバックスはもとはコーヒー豆を販売する店舗を運営していた企業。でも、ある1店舗でエスプレッソバーをスタートさせ、それが世界中に広まって現在のようになったのです。もしかしたら、お茶バーも世界中に広まるかもしれません。
スターバックスのお茶バーが日本に上陸したら、ちょっと面白いかもしれませんね。案外、ライバルになるのは、コメダ珈琲店みたいな喫茶店なのかも、っていう気がします。