秋ですね。金木犀の香りがセンチメンタルを誘う季節です。日はだんだんと短くなり、肌寒さもぐっと増して、感傷的な気分に浸っている人も多いのではないでしょうか。

そんな中、おセンチな気分を癒してくれる「ぱんだ珈琲店」なるものが阿佐ヶ谷にあるという情報がえん食べ編集部に舞い込んできました!


特にパンダやクマ科の動物が好きなわけでもない筆者ですが、“癒し”には興味あり。秋特有のうら寂しさをパンダに癒してもらいたい...ということで、ぱんだ珈琲店へ行ってみました!

パンダは癒してくれるかな...?
パンダは癒してくれるかな...?

■「ぱんだ珈琲店」に到着

「ぱんだ珈琲店」は、JR阿佐ヶ谷駅南口から歩いて約5分の位置にあります。目印は、その看板。たくさんのパンダたちが出迎えてくれます。

この写真の中に何匹のパンダが隠れているでしょう?
この写真の中に何匹のパンダが隠れているでしょう?

看板はパンダさんだらけ。お店のWebサイトには「入口が地味なので気付かず通りすぎてしまう方が多々いらっしゃいます」とあるのですが、そんなことはまったくありません!この看板を目印にすれば、迷うことはないでしょう。

お店のある2階へと上がり、扉を開けると...そこはまさにパンダのワンダーランド!白と黒を基調とした内装、家具家電。壁にはパンダ、棚にもパンダ、カーテンもカレンダーも楊枝入れもパンダ。「えっこんなものまでパンダなの!?」と驚くようなレアものまであります。

パンダ雑貨がぎっしりと並べられています!
パンダ雑貨がぎっしりと並べられています!

ジワジワくる手ぬぐいパンダも
ジワジワくる手ぬぐいパンダも

奏でられちゃうパンダもいるよ!
奏でられちゃうパンダもいるよ!

■注文してみた

ひとしきり店内のパンダを堪能したところで、メニュー拝見。できるだけたくさんのパンダに囲まれたいので、一番人気の「ぱんだオムライス」に加え「ぱんだクッキー アイス添え」と「ぱんだココア」も注文しました。

店内のパンダ雑貨を鑑賞しながら待つこと8分、ついに料理が運ばれてきました。

キターーーー
キターーーー

テーブルの上が見事にパンダだらけ!料理はもちろん、アイスの旗やシュガースティックまでパンダという徹底ぶりで、テーブルの上には合計12匹ものパンダが集結しています!

■食べてみた

ぱんだオムライスを食べてみました。エアリーな食感の卵は、口に入れるとバターの風味とともにシュワっと溶けます。エリンギ、ベーコン、ピーマン などが入ったケチャップライスは具だくさんで食べごたえ十分。てっぺんにポテっと乗っているパンダの正体は、コクのあるホワイトソースでした。パンダ部分から下のライスまでざっくりとすくって食べてみると、ふんわり卵とケチャップライスに濃厚なホワイトソースが絡まって、何ともリッチな味わいに。食べちゃってごめん、パンダ。でもおいしいよ...そして愛おしいよ...

おまえ、愛おしいよ...
おまえ、愛おしいよ...

香ばしいぱんだクッキーは、サクサクと軽い口当たり。添えられたバニラアイスも甘すぎずサラリとした口溶けで、食後のデザートにぴったりでした。コーヒーにも合います。

可愛すぎて、口に放り込むのがちょっとつらい
可愛すぎて、口に放り込むのがちょっとつらい

ぱんだココアは、濃厚でクリーミー。きめの細かいふんわりとしたミルクフォームに、ココアパウダーでパンダの顔が描かれています。くっ、可愛い...飲めない!(飲むけど!)

そんな目(?)で見ないで...
そんな目(?)で見ないで...

ココアやラテに描かれるパンダの絵柄は、なんと全部で10種類あるとのこと。ならば別のパンダも見てみたい!ということで、追加でぱんだラテを注文してみました。

すると現れた絵柄は、えーとこれ、踊ってるんでしょうか?

えっ?なにこのポーズ...
えっ?なにこのポーズ...

ドリフの変なおじさん風にも見える、2杯目にして突然すぎる攻めのパンダ。その何とも言えないシュールさが、ジワジワと筆者を癒してゆきます。たれ目、丸さ、短い手足、天真爛漫な笑顔、にじみ出る哀愁...パンダが世界一可愛い生き物に見えてきました。

■なぜパンダ?

パンダをお店のコンセプトにするくらいだから、店長さんはよほどパンダがお好きだったのだろうなと思いますよね?筆者もそう思っていたのですが、店長さんに聞いてみたところ、実はパンダよりもカエルが好きだったという衝撃の事実が発覚。

確かにちらほら隠れカエルが
確かにちらほら隠れカエルが

隠れてない
隠れてない

「ぱんだ珈琲店」という名前にした理由は、店長さんの奥様がパンダが大好きだったから、そして「パンダ」は子供から大人まで誰もが親しみやすい存在だから、だそうです。

カエル好きだった店長さんも、お店でパンダに囲まれているうちに愛着が湧いてきて、今はカエルよりもパンダの方が断然好きだと言っていました。

笑顔が素敵な店長さん
笑顔が素敵な店長さん

すっかりパンダラヴァーズな店長さんの手元にふと目をやると、パンダがデザインされた結婚指輪が薬指に...!夫婦の愛をパンダが結ぶなんて、素敵ですね。店長さんの、奥様とパンダへの愛がだばだば溢れています。

下に付けているのはなんと「竹」をモチーフにした指輪だそう!
下に付けているのはなんと「竹」をモチーフにした指輪だそう!

■ここでしか買えない“オリジナルグッズ”

この指輪はお店では売っていませんが、ぱんだ珈琲店のオリジナルグッズは買うことができます!キーホルダーやピンバッヂ、手ぬぐい、クッキー、パンダおまもりなど、ここでしか手に入らない“レアアイテム”がたくさん。

全部欲しくなる衝動を抑えるのに必死です...!
全部欲しくなる衝動を抑えるのに必死です...!

以前はネット販売もしていたのですが、現在はいったんお休みとのこと。再開のめどはまだ立っていないそうなので、今すぐ欲しいという方はお店に足を運んだほうが良さそうです。

■海外からの観光客も。狙い目は平日の午後

店長さんの知らないうちに、海外のタウン誌に掲載されていたこともあるというこのお店。日本各地からの観光客はもちろん、台湾や韓国からも多くのお客さんがパンダ目当てに訪れるそうです。パンダの本場・中国を押さえ、海を越えてこの阿佐ヶ谷にお客さんを呼び寄せるとはさすがですね!

土日祝日はそんな観光客を含む多くのお客さんで賑わうので、場合によっては席に着くまで20~30分ほど待つこともあるのだそう。平日は12時~13時のランチタイムが混み合うピーク、比較的空くのは15~16時頃とのことなので、パンダを独り占めしたい方は平日の午後に行ってみると良いかも。ちなみに筆者が行ったのは平日の15時頃で、お客さんは2~3組、女性率9割でした。

■「カフェ」ではなく「喫茶店」

昔から自分の喫茶店を持つのが夢だった、という店長さん。コーヒー豆やお店の内装に加え、“お店のあり方”にもこだわりがあるのだとか。

「うちは『カフェ』ではなく『喫茶店』なんです。誰もがコーヒーを飲んだり、本を読んだりしながらゆったりと過ごせる、古くさい珈琲店でありたい」

意外にも硬派な一面を見せてくれた、ぱんだ珈琲店。今年でオープンから丸7年を迎え、ますます人気を博している理由は、愛らしいパンダだけでなく「時間に縛られない自由なひとときを提供する」という古き良き喫茶店としてのスタンスにもあるのかもしれませんね。

...でもやっぱり一番の見どころはパンダですよね。パンダ好きの方もそうでない方も、ぜひお店に行ってテーブルの上をパンダでうじゃうじゃさせてみてください。不思議とストレスが和らいでいきますよ!

パンダ一生分見たかも
パンダ一生分見たかも