ブルーボトルコーヒーのコーヒーカクテル
左奥が「ミッドサマー」、右手前が「カスカラパイン」

ブルーボトルコーヒーには真夏でも熱くておいしいコーヒーを求めるファンが訪れるが、実はソーダで割った限定の冷たいコーヒーカクテルも楽しめる。

東京・新宿の駅ビル「NEWOMAN」にあるブルーボトルコーヒー新宿は、平日の昼も老若男女のコーヒーファンでにぎわう。お店の人が優雅とさえいえるほど熟練した手つきでハンドドリップコーヒーを淹れていくのを眺めているだけで楽しい。


でもちょっと変わったものを注文してみたい。1つはコーヒーの豆を包む実、コーヒーチェリーを使った「カスカラパイン」(520円、税込、以下同じ)。もう1つは水出しコーヒーであるコールドブリューを使った「ミッドサマー」(520円)。いずれもノンアルコールのカクテルにして出してくれる。

ブルーボトルコーヒーのカクテル
コーヒーカクテルもやっぱり目の前で作ってくれる

カスカラパイン

ブルーボトルコーヒーんp「カスカラパイン」
カスカラはコーヒーチェリーのお茶

まずカスカラパインは、カスカラすなわちコーヒーチェリーティーをソーダと有機パインジュースで割った飲み物。

コーヒーチェリー
手前の瓶に入っているのがコーヒーチェリーだ

色合いはまるで紅茶。味もコーヒーとはまったく異なり、やはりお茶を連想させる。ひとくち味わうとパインジュースの甘味と酸味が口に広がる。

後味にかすかな苦味もあるだろうか。炭酸は舌をくすぐる程度で、あまり強くない。飲み口はとても軽く、ストローでぐんぐん飲める。

コーヒー豆に比べるとコーヒーチェリーは普段さほど注目を浴びないが、実は産地では日常の飲み物として親しまれているそう。それをカクテルに仕上げて脚光を当てるのは、なんだか粋(いき)に思えた。

ミッドサマー

ブルーボトルコーヒーの「ミッドサマー」
こちらは「ミッドサマー」

ミッドサマーの中身は、コールドブリューのコーヒー、ソーダ、ハーブとして知られるエルダーフラワー(セイヨウニワトコ)シロップ。カットしたライムが添えてある。カクテルらしく層になってグラスに入っており、飲む前に軽くかきまぜてほしいとのこと。

ブルーボトルコーヒーの「ミッドサマー」
カクテルらしく2層になっている

涼しげな見た目にたがわず、飲むと果実のような風味。後からコーヒーのロースト感と苦味がほのかに、しかし疑いようもなくする。

うわべはカクテルなのに、ストローでぐーっと吸い上げると、口の中にコーヒーの香りと味が広がるのが気持ちよい。なるほど今自分はブルーボトルコーヒーにいるなと思い出す。ちなみにライムをしぼるとまた味が変わって楽しい。

どちらも飲みやすく味もよかったが、強いておすすめを挙げるならミッドサマー。ストローで層になったカクテルを混ぜながら、氷がグラスにあたる音を聞きつつ、過ぎゆく季節に思いをはせるのも素敵だ。